「キダチアロエ」と
「アロエベラ」
日本でアロエと言えば、 「キダチアロエ」を思い浮かべる方も多いですが、アメリカなど海外では「アロエベラ」が有名です。
アロエって何?
ススキノキ科ツルボラン亜科アロエ属に属する常緑多年草の多肉植物です。(分類体系の変遷により、ユリ科やツルボラン科とされていたこともあります。)
原産地はアフリカやアラビアなどの熱帯地方で、その種類は、高さ20mにも及ぶ大型種から10mにも満たない小型種まで約600種類 以上あると言われています。600種類の中には鑑賞用のものや薬用植物とされているものまで様々ですが、一般的に多く利用されているのが「キダチアロエ」と「アロエベラ」です。
アロエの歴史は古く、およそ3500年前の古代エジプトで使用されたという記録や、エジプトの女王クレオパトラはアロエベラを体に塗ることでその美貌を保っていたという伝説が残っています。
キダチアロエ
正式な学名は「アロエ・アルボレッセンス」。アフリカ原産ですが、日本原産と間違われる程に日本の気候風土と相性が良く、環境に合わせて独自に進化し、耐寒性も強くなった品種です。葉は肉厚で細く縁にトゲが並んでいます。1本の幹から次々に茎が出ており、木のように育つことから「木立」という名が 付きました。
日本固有のキダチアロエは、茎のかけらを土に挿しておくだけで育つほど強く、温暖で水はけの良い土地を好むため、太平洋沿岸の鹿児島・高知・南伊豆・房総半島などでは、野生のキダチアロエを見ることができます。
キダチアロエは応急措置に使われたりなど、飲んでも塗っても良いというその万能性から、親しまれてきました。
アロエベラ
正式な学名は、「アロエ・バルバデンシス」。カリブ海に浮かぶバルバドス島を原産地とし、大きくて肉厚な葉が特徴です。1枚の葉は長さ約80㎝、幅1㎝前後、厚さ約3cmにもなり、根元から大きな葉が立ち上がり、株状になって大きくなっていきます。アメリカのテキサス州や中南米などで盛んに栽培されており、日本では主に沖縄で栽培されています。「ベラ」とはラテン話で「真実」という意味があり、アロエベラには「真実のアロエ」という意味があります。
共通点と相違点
葉の大きさが違うため含有量や成分の質に違いはありますが、含まれている成分はほとんど同じです。 主な成分のうち「アロエウルシン」「アロエチン」「アロエニン」は キダチアロエだけに含まれ、「サポニン」は アロエベラだけに含まれていると言われています。
アロエの花
アロエは生育条件がそろったときに、花を咲かせます。 キダチアロエは、11月〜2月頃に真っ赤な花を咲かせ、アロエベラは5月頃に黄色い花を咲かせます。